さんじゅうろうの覚え書き

不治の中二病を患っている中年男『さんじゅうろう』の他愛のない覚え書きです。10年後には立派な黒歴史になっているかもれしない。

【怪奇譚】季節はちょっと早いけど怖い話してもいいかな?【リメイク&新規】

まだブログを始めたばかりの頃に『私の唯一の心霊体験(っぽい)』ものを書いたのだが、

いまみると、構成とか読ませ方とかかなり気持ちが先走った文章で酷い、それが既に私にとって『恐怖体験だわ』…とツッコミを入れたくなる。

そんな昔の記事をあまり見てほしくないので、ここでちょっとだけリメイクすることにします、もう少しアッサリ風味で…。

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私が唯一、体験した不思議な話(リメイク)

私がまだタクシーの運転手をやっていた頃の話。

深夜おそらく、本日最後のお客さんを乗せて私は名古屋から県境のとある市に向かった。

目的地についてお客さんを降ろしたのは午前2時近くの話。

ここからまた名古屋市内の繁華街に戻っても名古屋の夜は早く、次のお客さんは望めないので、その日はそれで業務を終了することにした。

普段なら来た道をそのまま逆に帰るだけなのだが、その場所にはそんなに来れる訳でも無く、うる覚えで他のルートもある様な気がしたのでルートの勉強も兼ねて別の道から帰ることにした。

近くには県境の大きな川が流れており、その端の堤防道路を走るルートを選択して、私は平坦な一本道を走っていた。

平坦な深夜の堤防道路は車通りも少なく、少し淋しい感じもしたので、ラジオの音を少し大きめにして走っていたのだが、どうもノイスが激しくて受信状態があまりよろしくない。

午前2時を少し過ぎた頃だろうか、私の前を1台のタクシーが走っていた。

平坦な一本道である。私がスピードを出しすぎて前の車に追いついてしまったのか?と最初は思っていた。

しばらくそのタクシーと並走する形で走っていたのだが、なんか違和感を感じる。

後部座席には確かに客が乗っているのだが、タクシーの行灯が点灯してるからである。

普通、行灯はメーターと連動している、お客さんの乗車中……いわゆるメーターが降りている状態は消灯しているはずなのだ。

しかしそれ自体は特に珍しい事でも無い。お客さんと話を合わせてある程度の距離を走ったらメーターを切って、それ以降の料金は運転手のポケットに…なんて話はよくある話。

酷い時は最初から値段を話し合いで設定してメーターを降ろさずに目的地に向かって売上まるまるポケットに…なんて話もあるくらいだ。(私は小心者なのでそんなことは出来なかったが…)

まぁ、とにかくタクシーの行灯は点灯していたのだ。

そのうち、私はもう一つの違和感を感じるようになる。お客さんが後部座席の中央に座っているのだ、3人で後部座席に乗ればそんなこともあるだろうと思うが、そのお客さんは1人で乗っている、座席中央なんて乗り心地が良いもんじゃないんだけどなぁ…と思いながら前のタクシーを見ていた。

すると、そのお客さんがこちらを振り向いたのだ。まるで180度首が回転したかのように…。

思わず息を飲む、若い女性?白い顔だな…え?なんで笑ってるの?

そう、その表情は笑っていた________________?。

 

ここで少し思い出して欲しい。

夜、前方を走る車の後部座席の人の表情なんて、そうそう見えるもんじゃない。

ライトをハイビームにしていても見えないのに、その時は下向きにして走ってたので、なおさら見えるものではない。それでもハッキリ、その表情まで解ったのだ。ちなみに完全に目があっている。その女性は大きく口を開けてものすごい笑顔でこちらを見ている。

 

その時、わたしの運転している車内にけたたましい程の笑い声が響いた。

かなり甲高い女性の……声である。

 

ラジオ??_____はノイズが酷くて消してしまったはずである。

窓?閉まってる_______私は思わずブレーキを踏んで前方から目をそらした。

 

再び顔を上げるまで約3秒ほどだったが、私が顔を上げるとタクシーはいなかった。

降り口なんてまだ見当たらないのに。思わずハザードランプを点けて車外に出る。

もしかしたら堤防から落ちたのか?と思ったからだ。

でも、その形跡も無い。

車内に戻って、ふと時計を目にすると、まだ午前2時を回っていないことに驚いた。

最後のお客さんを降ろしてからまだ3分も経っていないのだ。

『夢?』と一瞬だけ頭によぎったが、寝てたとしたらこの距離はどうやって走ってきたんだ?と逆に恐ろしくなる。

3分で走ることが出来ない距離を走ってるのは確かなのだから…。

なんか頭が混乱してしまい、その場にいることも怖かったので、逃げるようにして私はその場所を後にした。

 

 

と、まぁ…そんな話が私の『唯一の不思議な話』だったんですけど…。

昨日、更に私は不思議な体験をしてしまいました。

今日の本題はそちらにあるのです。

 

『お前……誰?』

私は頻繁にトイレ行く方である、いわゆる『頻尿』。

その時も部屋で作業をしていいると、激しい尿意が襲ってきたのです。

(良く考えたけど、このくだりはいらない気がする…)

 

そんなわけでちょっと急ぎ足でトイレに向かったのです。

途中、隣の部屋を見ると私の嫁がテレビをじっと見ている後ろ姿が、声をかけようと思ったのですが、尿意に背中を押されて急いでトイレに…

3DKの狭い住宅ですから、トイレなんて直ぐなんですけどね。

 

で、トイレの前、電気が点けっぱなしで『けしからん!』と思いつつ、ドアノブに手をかけようとした瞬間……。

ドアが開いて、中から嫁さんが出てきた。

 

目の前にいる私にビックリして『ひゃ!うわ!どしぇ!』などと素っ頓狂な叫ぶ嫁の声をかき消すような私の叫び声___________

『うわぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!』

その声に更に驚く嫁。

「なんなん?どうしたの?」と私に尋ねる嫁。

そう、今までこんなニアミスは何回もあって、結構お約束だったりすのですが、あまりに私が驚いていたので、ちょっとそれに驚いたらしいのだ。

 

「なにしてたの?ってかトイレ入ってたの?…」と私が問いかけると

「トイレ掃除をしてましたー!ひっかないでね」という嫁。

 

________________。

__________じゃあさ……じゃあ…さっきの誰よ?

 

結構いつも見る風景である。いつもの場所でちょこんと座ってちょっと背中が丸まった感じでテレビを見ている姿。あまりに普段の光景だったので全然気にならなかったけど…

私はトイレに行く前にハッキリと嫁さんの姿を見たのである。いつもの後ろ姿だったのですが、もしあの時に私が話しかけていたら……どんな反応が返って来たのでしょうか?

 

先程の彼女がいたはずの部屋を見てみるとそこにはもう誰もいません。

 

怖いというより、なんだか物凄く不思議な気持ちになってしまった…。

だけどやっぱりちょっと怖いので嫁さんに…

「なぁ…今から…ちょっとおしっこするけど…一緒に入らへん?」と言うと…

まるで虫けらでも見るかのような様な目で「嫌!」と言われました。

 

 

________とまぁ、体験したてホヤホヤの話。

本当にあれは誰ったんでしょうか?

私は基本的に霊の存在とかは全く信じていません。

小さい頃は物凄く信じていて、苦手だったんですけど、すっかりスレた大人になってしまい、

信じない大人になってしまいました。

だからタクシーに乗っていた頃も深夜の3時頃に平気で墓地公園の中を車で走れます。

自殺の名所だった某公園の横に深夜、車を止めて休憩することだって全然楽勝です。

だって、信じていないのですから。

でも、信じていないでは説明の付かない出来事にも出会います。これで2度目。

まぁ、でも説明できないからこそ『不思議な話』なんですけどね。