さんじゅうろうの覚え書き

不治の中二病を患っている中年男『さんじゅうろう』の他愛のない覚え書きです。10年後には立派な黒歴史になっているかもれしない。

【1954】君の名は(第三部)感想

はじめに

公開は1954年4月27日、前作の第二部より約5ヶ月で公開された三部作の最終章。眞知子と春樹の恋の行方はいかに……。

今回はストーリー紹介、三部感想ときてシリーズを総括しか感想を書かせていただこうと思います。今回は最初に断っておきますが、力が入りすぎています。折角はじめた全編の感想、最後まで完成させたいと気がつけば『ブログにおいて長すぎて読みづらい文字数』を遥かに越えて、14000字を超える長さになってしまいました。

今、是非にとは申しません、もしこの作品に興味があり、お時間が許してくれるのならば、少しづつでも良いので読んで行って頂けると嬉しく思います。

感想からでも読めるように目次を用意しましたので、感想から読んでいただいて、本編のストーリーを読んで見るのも良し。更には残念ながらAmazonプライムビデオの対象からは外れてしまいましたが、有料でのレンタルは現在も続いております。興味を持たれた方は一度ご覧になることもオススメします。

(今回はアフィなどのリンクは張っていませんので、ご興味がお有りでしたら、様々の配信サイトで各自ご検索いただければ幸いです。)

 

君の名は 第三部

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ストーリー

家庭裁判所にて

舞台は東京の家庭裁判所。『同居請求』をだした勝則。そして、『離婚請求』を出した眞知子。この2人に対する調停員の聞き取り面接の場面より始まる。

調停員らはこの2つの請求を同時に調停にかけたほうが良いと勧めるが勝則はそれに納得しない。眞知子の訴えなどは調停にかける価値も無いと訴える。

不倫の事実はないと言うが、北海道に出向いたと言う行為そのものが身勝手極まりない行為だと主張する。

直に東京に戻る春樹に対しては精神的な苦痛を負わされた損害に対する賠償と次第によっては誘拐罪として刑事告訴も辞さないと言う姿勢である。

だたし眞知子も離婚の意思が強く、個別の面談において、譲歩することも薦められるが拒絶。その意志は固かったが難航が予想される裁判の行方に不安を感じる眞知子。

裁判で上京する間、叔母と眞知子が身を寄せている綾の営む料亭『佐渡』においても夜中、理不尽な裁判によって苦しめる春樹の姿を夢に見てうなされる眞知子。

離婚はしたい、しかし裁判が難航しその事で春樹が苦しめられるのでは無いかと言う想いに悩んでいた。

永原からの提案

そんな時、以前から勝則と眞知子の事を気にしてくれた勝則の上役でもある局長の永原から連絡があり、会うことになる。

永原は眞知子にある提案を持ちかける。

永原は現在、熊本で副知事の任に就いており、そのことから自分が眞知子の後見人になるので、九州に来ないか?という事である。

このまま東京にいて泥仕合の様な裁判を続けていても、結果的に誰も幸せにならないし、もう少し時間が経てば強硬な勝則の気持ちも軟化するかもしれない。勝則とも戻ってくる後宮とも距離を一度置くことで、お互いを見つめ直してはどうだろうか?勿論、眞知子が九州に行ってからの行動は自由でそこで仕事をしても一向にかまわない。

この提案はすでに勝則にも話を通してあり、眞知子がそれを了承してくれるなら、春樹に対して起こそうとしていた訴訟は取り下げると言っている事を眞知子に伝える。

それは勿論、眞知子の自由でこの提案に乗ってくれても、あるいは東京で難航する裁判をすることも眞知子が決めてくれれば良いと言う永原。

眞知子自身も春樹の事を思い、これ以上春樹を苦しめる事をしたくないと言う想いから九州行きを承諾する。

 

後宮春樹、上京。眞知子は南の地で…

 眞知子の九州行きの経緯を綾からの手紙で知った春樹は上京するために美幌駅のホームにいた。見送りに来た友人の末長は春樹の心の傷を治そうと北海道に呼んだが結果的に心の傷を深くしてしまった事を詫びるが、ぞれは春樹自身がが起こしてしまったことだと、否定。

いつかまた眞知子さんと一緒に北海道に来てくれ、その日が来るのを待っていると末長は伝え、春樹は頷くと列車に乗り込み、美幌の地を後にする。

列車の中『かえってお前の傷を深くしてしまった』と言う末長の言葉を思い返しながら、春樹の短い北海道での生活は終わりを告げた。

      ***

眞知子は雲仙でホテルの事務員として働いてた。時折、永原が様子を見に来るようで、この日も何かを伝える為に眞知子の元を訪れていた。

永原は眞知子を外に連れ出し、東京の勝則から連絡があった事を伝える。

勝則は離婚を承諾しても良いと伝えてきた。但し、それには『ある条件』がある。

『眞知子が今後、再婚をするのであれば後宮春樹以外の男と再婚をする事』

この条件を飲むのであれば、離婚を承諾するというのが勝則の離婚の条件だと言う。

永原もこの条件には困惑の色を隠せず、あの真面目過ぎると思っていた男がここまで心と曲がった事になってしまうとは……と勝則の事を憂う。

そんなやり取りを終え、ホテルに戻った眞知子に1人の男が声をかける。九州弁で妙に明るく声をかけてきた男は宿泊客の副島(そえじま)である。

何処か不幸の影を背負った眞知子がずっと気になっていていて、つい声をかけてしまったと話しかける副島。

この男の存在がこの先、どの様に関わってくるのか?それはまだわからない。

 

大きく廻り始めた歯車

春樹は東京に上京後、『女性評論』と言う評論雑誌の編集部に身をおいていた。元々雑誌記者、役所の広報課に身をおいていた春樹でもあるし、綾が時折そこを訪れる事から、綾の客筋からの紹介もあったのであろう。

その日も綾が編集部を訪れ、春樹に会いに来ていた。綾は編集長と幾つか言葉を交わし春樹を探すのだが編集部に春樹の姿はなかった。

綾がふと視線を後宮の机に落とした時に目に止まった一枚の名刺。そこには『浜口勝則』の名前が、編集部に勝則が訪れていることを知った綾が、別室の方に意識を向けると、そこから勝則の声がする。

『僕も譲歩しているつもりだ、君も考えてくれたまえ』

そう言い残し部屋を去る勝則は綾と鉢合わせになるが、2人は言葉を交わすこともなく勝則は編集部を後にする。

送迎の車に乗り込む勝則の隣には若い女性がいた。美子と言う次長の娘と勝則は交際をしていた。美子は勝則の離婚が正式に決まったら勝則と結婚をする気でいた。

そんな勝則と美子を乗せた車のそばで人だかりが出来ている。

美子が気になり、車から通行人に訪ねたとところ、合いの子が車に轢かれたと言う。

               ***

綾は春樹を誘い、綾の営む料亭『佐渡』にいた。そんな時、一本の電話。

電話の主は果物屋のあさ。あさは梢の息子である俊樹が車に轢かれたことを知らせる。

急ぎ病院へ向かう綾と春樹。ちょうどその頃、俊樹の手術が終わったことを加瀬田から聞かされる。轢いた車は、金だけ渡してとっと 行っちまったんだ、酷すぎると憤りを隠せないあさ。悲しみに暮れる梢を見舞う春樹と綾、医師の話では今夜が峠だと言い、予断の許されない状況である。梢は取り乱し、なんとしても命だけは助けて欲しいと医師に懇願し狼狽する。

そんな時「静かにしたまえ!」と梢を叱責したのはその病院の医師、野宮であった。野宮は狼狽する梢の気を取り直させるために敢えて厳しい言葉をかける。

 

みんな良い人なのになんでこんなに不幸せになってしまうんだろうと嘆く綾。

窓からは数寄屋橋が見える。眞知子は今、どうしているんだろうねぇと、ふと眞知子の事を思い出し春樹に語りかける。

そんな時、春樹は綾に告げる。

近いうちに会社の命を受けて特派員として欧州に行く事になるかもしれないと……。

               ***

その時、雲仙では副島が眞知子を誘い、霧氷の森の景色を眺めていた。

副島は眞知子に結婚して欲しいと申し込む。

副島は眞知子の事情をすべて聞き知っていた、勝則の言う「後宮以外の男と結婚するなら離婚に応じる」と言う言葉を逆手にとり、自分と名目上だけ結婚をしてしまえば後は眞知子の自由だと言う。そのまま後宮という人と一緒になっても一向にかまわない。勿論、自分は浜口を騙すつもりは無いし、眞知子への想いも本物であるので、私とそのまま所帯を持ってくれても良い、そればあくまで眞知子の意思を尊重する。今のこの状況よりはその方が絶対に良いと眞知子に提案するが、眞知子はその言葉に戸惑い、返事をすることが出来ないでいた。

 

春樹と勝則

その頃、春樹は最終的な意思を勝則に伝えるために浜口宅に訪れていた。

浜口は春樹に言う。はじめは君たち2人に同情的だったんだと、結婚にしても僕が無理にせがんだ訳では無い、眞知子から切り出したものだったと、1年ほどは安定した生活が続いていて、自分はどんなに幸せだったか。しかし東京に転属になる頃、後宮君、君が現れた。

君と眞知子の間に挟まれて僕がどんなに惨めな思いだったか?、それにこのまま君と眞知子が結ばれるなんて、どんなに男にとって屈辱的なことなのか、君も男なら分かるはずだ。…と思いの丈を吐露する。

春樹は男として勝則の気持ちに一定の理解はするが、いま眞知子がこのような状況に置かれているのはやはり勝則のせいであると主張する。

今まで春樹と眞知子は一遍の過ちも無く過ごしてきたが、このような事になると眞知子と結婚することが自分の義務のの様に思えてくると春樹の意思を勝則に伝える。

そう言うが、眞知子は未だ僕の妻で僕はこの先もずっと離婚に承諾することはないかもしれない。と、勝則が言う。

それでも僕は、勝則の心が溶けるまで一生かかっても待ち続けるつもりだ。と春樹は訴えかける。

勝則は春樹に一通の手紙を渡す。差出人には副島の名前があった。

その手紙は九州にいる副島という男からの手紙で、副島は眞知子と結婚したいと書いてある事を伝え、君はその男を知っているのか?と春樹に問う。

春樹は知らない名前だと答えると、勝則はため息と共に実はこの手紙は君と眞知子が私を欺くために計画した事だと思っていたと言う。しかし、春樹と話してみてそれが違うと言うことがよくわかったとも言う。

結局、君も僕も眞知子を愛しすぎてしまったんだ。……と呟くように勝則は春樹に語る。

そんな時、美子が来たと徳枝が知らせに来る。席を立とうとする春樹に「まだ良い」と言うが欧州への出立の準備も差し迫っているので、と断りを入れて春樹は浜口邸を後にする。

 

勝則と美子と徳枝

入れ替わりに次長の娘である美子がやってくる。徳枝は次長の娘だからか美子には好意的であった。早く離婚が成立して美子さんに来てもらいたいと上機嫌の徳枝に美子が言う。

私達が結婚したらお母様はどちらに住まわれるの?あっけらかんと言う美子に困惑の色を隠せない徳枝。

美子は、自分の結婚条件は別居だと言う。お互いに束縛された性格はしたくとないと悪びれること無く言う。もしもお母様が出なければ、勝則さんと2人で家を出て暮らすことになる…と。

徳枝は勝則を自分の命たと思って今まで育ててきた、そんな勝則と引き離すなんてあんまりにも酷いのでは無いかと言うが、美子はそんな事を言われても……と困惑する。

その空気を察して勝則は美子に銀座でも行きましょうと誘い出し、先に外に出て待ってもらうように促す。

勝則が出かける支度をしている時に徳枝がボヤく。最近の若い方はあんな感じなんでしょうかねぇ…あれなら眞知子のほうがマシじゃないか_____と。

そんな徳枝に勝則が「もう、全て遅いんだ!そんな事をいうなら何故眞知子がいる時にそれを言ってあげられなかったんだ!」と反抗する。恐らく勝則にとっては初めての徳枝への反抗だったのであろう。驚いた徳枝は呆然と立ち尽くし、それを尻目に勝則は家を後にした。

とうに日は暮れていた。誰もいなくなった浜口邸で徳枝はひとり過去のことを思い返していた。眞知子に自分がしてきた様々な事を……。

 

来訪者

眞知子のもとに一通の電報が届く、春樹からのものだ。

________アスツク、アイタシ。アトミヤ

会いたいと気持ちが強かったが、この春樹の行動が何を意味しているのかを眞知子は知っていた。思い憂う眞知子にのところに先程着いた宿泊客が倒れたと言う知らせが入る。

そして宿泊名簿を確認した眞知子はそこの意外な人物の名が記されているこ事に驚く。

急ぎその宿泊客のいる客室に向かう眞知子。

そこには勝則の母、徳枝が意識も絶え絶えにベットに横たわっていた。看護婦によると旅の無理がたたった上での急性肺炎だと言う。

朦朧とした意識の中、勝則の名前を呼ぶ徳枝。眞知子にここは九州ですのよ、と言い諭されると、そうだったねと正気を取り戻す。「眞知子さん、貴方に会いに来たのよ」と徳枝は言うがすぐにまた意識が途絶えてしまう。

眞知子はそのまま寝ずの看病を献身的に行う。夜が明けた頃、ようやく熱も下がり峠をこした徳枝は眠りについてる。

そんな時、後宮という方が玄関に見えたと言う知らせが来る。病身の義母を残して出かけて良いものかと心が揺れるが、徳枝が眠りについている事で、眞知子は春樹に会いに行く。

ホテルの玄関先で春樹は待っていた。2人は北海道以来、今度は九州の地で再会をした。

春樹は欧州に向かう前にどうしても一度、眞知子に逢いたかったと告げる。

綾からの手紙で春樹が欧州に旅立つ事をしられていた眞知子も同じ想いだった。

遠くに天草が見える小高い丘で2人は語り合う。

何度も不安に苛まれて、後宮さんとこのまま旅立ってしまいと吐露する眞知子。

春樹も想いは同じだがそれはきっと叶わないことだと言う春樹。

春樹は眞知子に先日、勝則と話した時の事を語る。彼にしても悪意だけで行動しているわけでは無く、眞知子さんを想う気持ちが強すぎて、その心から逃れることが出来ずに苦しんでいる。苦しいのは僕達だけでは無く、浜口さんも心の葛藤から逃げられないでいる。それならば彼の心が溶けるまで僕は待ちたいと…穏やかに眞知子に語る。

僕たちが正しく結ばれる為なら、一生このままでも良いと思っている。そう告げる春樹に眞知子は深い感銘を受ける。

僕たちはもし出会わなければ、それなりの幸せが待っていたのかもしれない、でも愛は幸か不幸かで図れるものでは無いんだ。と、それを越えて眞知子を幸せになりたいと言う意思を眞知子に伝える。

明日には東京に戻り、明後日には欧州に出立しなければならない春樹は、島原の港で眞知子と別れる。遠ざかる船を見送りながら眞知子は悲しみに暮れる。それはまた船上の春樹も同じ想いであった。

 

和解……そして。

眞知子がホテルに戻り、再び義母の客室を訪れる。熱も下がり大分落ち着きを取り戻した徳枝は寝息を立てている。それを見つめる眞知子。ふいに徳枝が目を覚ます。

何処かに出かけていたの?問う徳枝に眞知子は偽ること無く春樹と逢っていた事を告げる。

泊まる事も無く直ぐにこの地を後にした春樹に少し驚きつつも、徳枝は寝ずの看病をしてくれた眞知子にあなたには非道い事を今までしてきたのに何故?と問いかける。

言葉に詰まる眞知子に徳枝は更に語りかける。それは眞知子への謝罪だった。

眞知子が浜口の家に嫁いで来ることで、今まで手塩にかけて育てきた勝則を奪われてしまうのでは無いとか言う不安、振り返ると眞知子は家の為に一生懸命尽くしてくれたのに、それを邪魔してしまったという自責の念。それらを涙ながらに語る徳枝。

そして眞知子に再び浜口の家に帰ってきた欲しいと懇願する徳枝。そうで無ければ次長の娘がうちに来て滅茶苦茶にされてしまう。後生だからもう一度やり直して欲しいと涙ながらに訴える、

しかし、眞知子はもう自分の心を偽ることが出来なかった。もう浜口の家には戻れないと涙ながらに答える眞知子。

徳枝も最後には諦めることになるが、その眞知子への謝意に偽る所は無く、ここに来て眞知子に優しくされた事が嬉しかった。なぜもっとこの様な関係になれなかったのか…と、自責の心を涙ながらに吐露する。

その姿にまさかこんな日が来ようものかと眞知子もまた涙する。

徳枝はずっと看病に暮れた眞知子の体を案じて、休むように促す。そして眞知子は看護婦が訪れるのを確認してそっと客室を後にする。

だが事務所に戻った眞知子は崩れるように倒れる。遠くで同僚職員の人を呼ぶ声が聴こえる中、眞知子の意識は深い闇の中に落ちて行った。

 

 勝則の決心

ダンスホール、賑やかな生バンドの演奏と快楽的に踊る若者たち、その中に勝則と美子はいた。勝則は神妙な顔つきで客席のソファーに座っているとそこに美子がやってくる。

別に自分のことを好きという訳でない、勝則は意地になって私と一緒にいるだけ、それに加えて次長の娘なので将来的にも約束される野心も加わった勝則の事を美子は気に入ってると言う。結婚に愛情などは関係ないと笑いダンスに誘う美子。

しかし勝則はそんな美子を結局受け入れることが出来なかった。

別れを切り出し、店を1人後にする勝則。

家に帰ると女中から母が帰って来ていると知らさせる。黙って出かけた事を詫びる徳枝は眞知子に帰って来て貰いたかったが叶わなかった事、眞知子に看病をしてもらったこと、本当に優しく、良くしてもらった事を勝則に語る。眞知子は元気でしたか?と問う勝則。

ええ、でもひどくやつれてました。あの人も可哀想な人です。と、その身を案じた。

勝則は美子と別れたことを徳枝に告げる。徳枝は私の為に?と考え、もし私のためなら気に負う事は無い、別居がしたいならそれも受け入れるし、私も努力をするので、是非とも自分の為に犠牲になるという事はしてくれるなと勝則に言うが、勝則は自分自身の為にだと徳枝に告げる。ただ静かに暮らしていきたい。そしていつか自然に眞知子のことが忘れられるようにと………。

外は雨が降っている。初めて眞知子が家を飛び出したのもこんな雨の日だったと思い返しながら。

 

眞知子の決心

眞知子は療養の為に永原の勧めで阿蘇に来ていた。そこに眞知子の所在を聞いて副島がやって来た。副島は浜口に会ったことを眞知子に伝える。そして浜口は意外に簡単だったと、伝えると結婚話を進めて、いよいよ眞知子が自由になれると言う。

しかし眞知子は戸惑う。誰かを騙して幸せに……と考えると心は前に進めないでいる。

そんな眞知子に副島は物事には駆け引きが必要だと解く、それに後宮さん以外の人と結婚しなければ離婚は許さないと人権無視にも程がある提案をしてきたのは浜口である、加えて副島は自分だって眞知子と結婚したいと言う想いを話す。

そんな副島に落ち着いた口調で眞知子は語る。

これ以上、自分に悔いを残して行くことは出来ない。私はこのまま死んでしまうのでは?と考えると寂しくて不安になってしまう。仮にも一度は夫だった人を騙してまで、幸せになろうなんて事は、きっと後宮さんも望んでいないし、私は例え死んでしまっても美しく死にたい。勿論、生きるためにも……ですので私の事はどうかそっとしておいてください。愚かな女だと思われてもこの想いは変わることは無いでしょう…と副島に告げる。

その純粋な想いを受け、副島はきっぱりと諦める。後宮さんもきっと欧州の空の下で貴方の事を思っていると思いますよ。と笑顔で眞知子の前から去る。

副島が去ったあと1人で歩く眞知子であったが、深く咳き込み崩れ込んでしまう。

眞知子の病魔は日に日に眞知子の体を蝕んでいくのだった。

 

東京では

元気になった梢の子ども俊樹が、梢と主治医の野島を伴い遊園地の観覧車に乗っている。

元気になったら遊園地に行こうと言うのは野島との約束であった。

梢と俊樹、そして野島が乗った観覧車を眺める、綾とあさ。

加瀬田の話よると、俊樹の体が回復したら、いずれは梢の抱えている心の傷も癒してあげたいと野島は語っていたと言う。

そうなればいいねぇ…と3人を見つめる綾。そこに仁科の娘を連れた春樹の姉、悠起枝がやってくる。悠起枝は眞知子の病気を案じている。眞知子の為にも春樹の為にも何か力になりたいと綾に言う。

手紙での知らせではあまり良くは無いと綾は答える。眞知子はきっと帰って来たいと願っているはずで、今は野島先生を通じてどこかに良いところを無いかと探して貰っている事を告げる。

氷解

それから暫くして眞知子は銀座の病院に転院して来る事になる。

それに付きそう悠起枝は眞知子に語りかける。悠起枝は眞知子に詫びねばならないと言い、鳥羽に春樹を探しに勝則と共に訪れた時の事を語る。あの時、鳥羽に春樹を訪ねに来た眞知子に勝則を薦めたのは悠起枝であった。当時の悠起枝は信じるものに裏切られて人が信じられなくなっていたと言う、その黒い影が眞知子に暗い影を落としてしまったのだ…と。

ただ、今は早く元気になって欲しい、元気になって春樹と幸せになって欲しいと願う。

春樹には病気の事は知らせましたからね。早く元気になってくださいと願い語る悠起枝。

そこに叔母から勝則が見舞いにやって来たと知らされる。追い返してもいいが、会うかね?と問う叔母に合うと答える眞知子。

勝則が眞知子の前に現れる。永原に眞知子の事を聞いた勝則は見舞いに来る資格は無いと思いながらもどうしても渡したいものがあると見舞いに訪れたのだった。

勝則に見せられた一枚の紙。君が待ち望んいたものだよと見せたのは名前と判子の押してある離婚届だった。

副島からの手紙に眞知子が勝則を騙してまで別れる事は出来ないと言う真意が綴られた手紙を受取り、勝則は長い間の仕打ちに深く謝罪する。眞知子は誰かが悪かった訳では無いと誰も悪いわけでは無いと勝則を責める事はしなかった。

今まで自分の心を抑えることが出来なかったが、後宮君と君の純粋な心にようやく自分も昔の姿と取り戻す事が出来た。東京に鳥羽に後宮君を探し歩いたあの頃に戻ることが出来たと語る勝則。

まさかこの様な事が話せる日が……貴方に許される日が来るなんて……と眞知子はもう死んでも悔いは無いと泣くが、勝則に君は元気になって後宮くんを待ち給えと元気づける。

勝則は帰りがけに病室に入ってきた叔母に離婚届を渡すが叔母はそんな勝則に怒りを露わにする。なんでもっと早うこれを持ってきてくれんかった、そのせいで眞知子はこんな体に…と勝則を責めるが眞知子がそれを静止するかのように「勝則さん、早く良いお嫁さんを見つけてください」と言う。

勝則も「もう、会うことは無いと思うが、元気でいてくれ給え」と病室を後にする。

感極まり叔母と2人泣き出す眞知子。叔母は今までの苦労がやっと実ったと喜び、後は後宮さんを待つだけだと眞知子を元気づけるが、眞知子はもうそんな日は来ないような気がすると嘆く。そんな叔母は眞知子にあんたは心が弱すぎると説教し、眞知子は更に涙に暮れる。

窓の外は街の灯りで溢れている。数寄屋橋は見えるかしらと叔母に窓を開けて確認するように頼む眞知子。叔母は「ああ、見えるよ」と答えた。

 

綾の想い

その頃、綾は女性評論の編集長と彼女の店である『佐渡』にいた。

春樹の帰国を嘆願するためであった。編集長は特派員として赴いているので私一人の一存では何ともならないかもしれない、勿論帰国の為の費用も自腹になるだろうし、と綾に告げると綾は帰国のかかる費用はこの店を売ってでも作るのでどうにかならないかと切実に語る。

何故そこまでするのか?実際は君が会いたいのではないかね。と茶化し気味に綾に尋ねる編集長だったが、綾はまっすぐな瞳で編集長に向かい語り始める。

確かに私も後宮さんの事が好きですが、眞知子と後宮さんはとても美しい恋をしている。きっとそんな恋は私には出来ない。そんな出来ない恋をかわりに2人にやってもらっているんだと思うとどうにも放おって置くことが出来ないのです。そう、綾は答えた。

君はいい女なぁ、もし自分に妻がいなかったら、間違いなく君に恋をしていたよ。と言う編集長の言葉にフフっと微笑みながら奥の座敷の襖を開ける。そこから漬物の入れ物を取り出し編集長に「故郷から送られて来たものです、よろしかったら奥様へのお土産にどうぞ」と差し出す。その振る舞いに一本取られたとばかりに編集長は後宮くんの事は何とかしようと綾に約束をする。

 

生きる力

綾が春樹の事を知らせようと病院を訪れると、そこには慌てふためいた叔母の姿があった。

眞知子が病院を抜け出したと言う。急ぎ眞知子を探す綾。

眞知子は数寄屋橋の上で川面を眺めていた。しかし眞知子には既に歩く力は残されておらず、橋の欄干にもたれ掛かるように崩れていく。それを見つけ眞知子を抱き支える綾。

うわ言の様に死ぬ前にもう一度、数寄屋橋に後宮さんに…と呟きながら意識を失う眞知子。

眞知子の病状は深刻な状態になっており、死の影が眞知子に迫ろうとしていた。

意識を失うもうわ言で春樹の名を呼ぶ眞知子。

もう駄目なのですかと野宮に問いかける綾に医師の野宮は本人の生きる力次第だと答える。

そんな時、病院に一本の電話が入る。春樹が欧州を発ったと言う連絡であった。

綾は急いで眞知子にその事を伝える。

遠ざかっていく眞知子の意識の中で、橋の上で再会したあの頃の事が蘇る。

ようやく出会ったのもつかの間、眞知子は次の日は嫁いでいくと言うあの日のことだ。

去っていく後宮の背中を呼びかける眞知子。朦朧とした意識の中で春樹の名前を呼び続ける。

そして意識が途絶えた。

その頃、春樹は飛行機で日本に向かっていた。心に不安を感じながら春樹は祈るような気持ちで飛行機に搭乗していた。

ようやく日本に着き、その足で車に乗り込み病院を目指す。

深夜ようやく春樹は病院に到着する。

皆が春樹の姿を見つけると急ぐように急かす。春樹に不安がよぎるが綾が涙を流しながら「大丈夫、あの子頑張ったんだよ、頑張って病気に勝ったんだよ」と言い、病室の扉を開けるとそこには意識を取り戻した眞知子がいた。

眞知子に近づいて行く春樹。こんな事になっているなんて、こんな時に君をひとりにしてしまうなんてすまないと詫びる春樹。眞知子もこんな姿になって申し訳ないと詫びる。

眞知子は死にません、生きて後宮さんと幸せになるんです。と眞知子が言うと、春樹も君をもう離すものかと眞知子を抱き寄せる。ふたりきりに…と病室を出るみんな。

眞知子は春樹の腕の中で幸せを感じていた。

気がつけば窓の外は朝日が差し込んでいる。

綾はそんな2人を見届けながら病院を後にし、数寄屋橋へ。

昇る朝日を見つめながら、「忘却とは忘れ去る事なり……か」と呟く。

 

                         _完。

第三部感想

敢えて言おう 

いろいろと書く前にまずは率直な感想を言わせてもらいたい。はっきり言おう。

「なんじゃ?こりゃ?」である。最初の頃は良かった。まだ気持ちもノッていたのだが、眞知子の病気の件は完全に蛇足である。あまりに突然に病気になってしまうので、私はただの寝不足と勘違いしてしまったほどだ。

何病?何病なの?と言う疑問が湧き上がる。そんな私の頭に「うさぎは寂しいと死んでしまううのよ」と言う謎のワードがよぎった。なるほど、これはアレだ「うさぎ病」だ…ってそんなわけあるかいと物語後半を観ながらつい一人ツッコミを入れてしまった程である。

お陰でストーリーをどう説明しようと悩みに悩み、後半から一気にタイピングのスピードが落ちてしまい、週末の夜をすべて投げ出してしまった。

すれ違いまくった二人の物語を締める為には死と言うワードを観客に意識させて、最後までドキドキさせようと言う狙いが見え隠れするが、それにしても……である。

そして中盤以降の怒涛の謝罪ラッシュ。徳枝、悠起枝、そして勝則。どこまでも謝罪が続く。

これも完結編故か…とも思うが、それにしてもやはり病気の件はいらなかったなぁ。そこまで悲壮感を強調する必要はあったのだろうか?_と素直に気持ちを吐露せずにいられない私であった。ただ、ハッピーエンドで幕をおろしてくれたことだけが唯一の救いである。

 

副島(ソエジマ)と言うとんでもないストライカー

この物語、第三部に登場する副島はよく考えて見れば、ただの宿泊客の1人である。

しかし、そのスタイルはあくまでもポジティブ&アクティブ。

仮に主人公が後宮春樹ではなく、この副島という男ならば、もしかしたらこの三部、六時間に渡る物語は1時間ほどで終わっていたのでは無いか?と思えるほどの破壊力を秘めている。

私が「副島すげぇ」と感心したのはその情報収集能力。眞知子に最初に求婚した時に既に眞知子の事情を殆ど把握していた。そこまで誰に聞いた?そこまで眞知子の事情に通じているのは永原か?永原に聞いたのか?しかし相手は副知事、しかも眞知子の後見人でもある。

そんな永原から眞知子の個人情報を引き出せる情報収取力。

完全にチートレベルである。多分、この男が主人公であったならば、一部の最初、橋の上で眞知子に会えなかった時点で即座に眞知子を捜索し、見つけ出し、物語を終わらせてしまう様な物語にとって劇薬の様な存在である。

そんな副島にも危なげな部分は要所要所に存在した。

1番は眞知子への求婚の部分。あくまでも眞知子を自由にするためにと言う親切心は偽ざる気持ちだったと思うが、自分も眞知子に惚れていることを所々にぶっこんで来る。

それを観ながら画面に向かって「あかん、あかんで副島さん、それは以前に浜口が通った道や」と。先程、主人公が春樹では無く副島だったら…と言ってみたが、それ以上に恐ろしいのが「もし敵役が浜口勝則ではなく副島だったら…」と考えると思わず戦慄が走る。物語が終わらないではないか…そんな事を想像しながら、本当に諦めの良いさっぱりした人で良かったね。と思うばかりである。そんな九州男児、副島(そえじま)に幸あれ。

 

少しずつ幸せになっていく

今回、梢が幸せを手に入れそうな描写があった。息子・俊樹の事故がキッカケで出会った医師の野宮の存在だ。加瀬田に「梢の心も傷も…」と野宮が言っているように、当然梢の情報を野宮は知ってのことであろう。この作品では言いよる男性は皆、女性の情報を収集済なのだ。

しかしそこをツッコんでも無粋極まりないなぁ…とボンヤリと思う。

真っ当に生きることで、少しづつ幸せになるんだよ、というメッセージは届いた。

 

石川綾

全編を通してこの人がいなければ物語が成り立たないと思わせたのが石川綾である。

第一部の冒頭で眞知子と出会い、以降ずっと世話の焼き通しで最後まで来た。

昔風に言えばガラッパチな性格ではあるが、それは真逆な繊細な心配りがある女性である。

この人も確実に成長の階段を登ってきた。一部で女中見習い、二部で女中頭、そして三部ではとうとう自分の店を持つまでに。

しかし、その凄さを感じたのは第三部での編集長への嘆願のシーンだ。

編集長は嘆願に対して「本当は君が会いたいんじゃないの?」と言うように少々、綾に対しての軽いイメージを持っていたと見受けられる。綾の想いを編集長に語った時に実に君はいい女だなぁ、もし私に妻がいなかったら完全に恋に落ちていたよと語るように、ここには編集長の下心が少なからず伺えるのだが、そんな編集長を完全に手玉に取っているのだ。

そっと、奥の座敷の襖を開ける。ここで少なからず布団が一組に枕が2つと言う描写を編集長も期待してしまうだろう。しかしそこから現れたのは故郷から届いた漬物の様な入れ物。

これを奥様のお土産にどうぞと渡す一連の振る舞い。一時の好きもないその所作にここで編集長は「女に惚れる」ではなく「人に惚れて」しまったのでは無いだろうか?

そう考えるとその後の編集著の対応の速さもうなずけるなぁ…と思った。

 

作品で使われている言葉について

昔の作品である故に劇中にも幾つかの差別用語が出て来る、こんな時、特にストーリーに関わらないものは表現をぼやかしたりして書いていたのだが、一つどうしても物語の性質上避けれない表現があった。これは一部にもあった表現。合いの子という言葉である。

合いの子(間の子)は当時の混血児、いわゆるハーフを指していて、当時は蔑称として言われてきた様に現在でも差別用語として扱われている。私は専門的では無いので少し調べて見たのだが、戦後間もない頃、ほんの少し前まで戦争で敵国としていた国の子を宿すとは何事ぞと言う世相が存在し、差別の対象とされてきた時代があった。それはこの第三部でも色濃く出ているシーンがあった。それが俊樹の事故の部分だ。轢いた加害者は治療費だけ残してさっさと言ってしまう。その対応に当時の混血児への差別の意識を感じ、合いの子と書かねばそれを表現できないシーンがあった。しかし、この作品にはそれに対するアンチテーゼを唱える部分も幾つか見られた。一部でもそのような混血児を問題として日本の民族意識たるや何ぞやと記者たちが話し合う中、春樹だけがその論に対して異を唱えていた。

今では人の意識も国際社会の中で変化していき、ハーフといえば逆に格好いいとか憧れの対象として見られるほどである。この様に人の意識は時を経て変わっていくものだと強く感じた。

現代においても様々な差別が存在している。それは人の意識のあり方が徐々に時を経て変えていくのでは無いかと思ったりもする。それには過去にあった背景を知ることも重要ではないかと考え、そのままの形で使うことにした。

このワード一つで私の手が一旦止まり、2時間以上使ってそれについて思案してみた。

書くことの、表現することの難しさ、そして今一度、差別と言うことを考える良い機会になったと思う。

最後に

感想冒頭で結構キツイことを書いたのだが、この作品は紛れもなく名作であると太鼓判を押したいと思う。これが初めてではなかったと思うが、当時、時代劇や戦争もの、そして喜劇などが占めていた映画界に新風を巻き起こしたののは間違いない。(洋画にはいくつかそんな作品もあった気がするが、邦画においては余り見ることできない。)

勿論、それには一部の前年に放送されていたラジオドラマの影響もあったのかもしれない。特に悲しい恋のヒロインに憧れる当時の女性には直撃だったのかもしれない時代劇や戦争映画、バンカラものなどに見られる体が男性ホルモンで出来ているような主人公では無く、見た目は優男で美形、どこか弱々しくも映る佐田啓二さんが演じる後宮春樹という男。そして多くの女性が憧れていた悲劇のヒロインである岸恵子さんが演じる氏家(浜口)眞知子。それはその後、眞知子のスタイルの一つであるストールを頭に覆うように巻く通称『真知子巻き』が一大ブームを巻き起こしたように女性の圧倒的な支持を集めたのであろうと想像に容易い。1953年の年間の興行収益は1位が第二部で2位が第一部。その2つはこの年に公開された洋画第1位の地上最大のショウを凌ぐものであり、翌年の第三部が公開された1954年はのGWには黒澤明、屈指の名作と言われている七人の侍も公開されている。他にもゴジラの第一作、そして洋画では今も尚語り継がれ得る洋画の大傑作、オードリー・ヘップバーン主演の『ローマの休日』が公開されているのだが、君の名はの第三部はそれすらも凌ぐかたちで1954年の興行収益の1位になっている。

その遺伝子は後の作品の至るところに見受けられ、多分作品を作っている後世のクリエーター達もその川の上流にはこの作品があったとは意識もしていない方も多かろうと思う。

ふとキャストに目を向ける。ご存命の方もいらっしゃるが多くの役者さんは既にお亡くなりになっている。63年の時を経ているのでそれも世の摂理だと思うのだが、スクリーンの中に生きる役者さんの姿に伝説の欠片をふと見出した気がした。

 

劇中で綾が最後に呟いた『忘却とは忘れ去ることなり…』という言葉は、本編に幾度も出て来るキーワードであるが、これは最初のラジオドラマ版の冒頭、来宮良子さんのナレーションにて必ず語られるキーワードでもある。

『忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ』

映画の最後で綾は『忘却とは忘れ去ることなり』と上段の部分しか呟いていないのは、辛かった思い出もいつか忘れ去り、その先には幸せが待っているかもしれないと言う事なのだろうか?と思ったりもする。

なんにせよ最初のラジオドラマより六十数年。人によってはこの作品も忘却の向こう側にいた作品かもしれない。それが今、ぜんぜん違うのだが同名のアニメ映画のヒット(コチラも間違いなく今年の興行収益1位になるだろう)によって、再び呼び起こされてしまうなんて、きっと昔の人は思いもよらなかっただろうなぁ…とふと思う。

 

 最後になるが、二部、三部をこの記事を書いているこの2日間 、あまりにこの作品に入れ込みすぎて言葉の言い回しが妙に古い表現になってしまい、家族に変な心配(爆笑と呆れ)を与えてしまったのは___________まぁ…余談である。