さんじゅうろうの覚え書き

不治の中二病を患っている中年男『さんじゅうろう』の他愛のない覚え書きです。10年後には立派な黒歴史になっているかもれしない。

【エンタメ】我が家から発掘した本を紹介する

以前チョットだけ触れたが、4年ほど前に引っ越しをして以来、結構整理もしたのだが、未だに荷ほどきをしていない段ボール箱が数箱存在する。1つは古いゲームとかが入っている箱なのだが、5箱ほどあるダンボールの中にには漫画や小説などが詰まっている。

先日、夜な夜なそのダンボールを一箱だけ開けて中を確認した。今回はそんなダンボールの中にしまい込まれていた本を少しだけ紹介しようと思う。

 

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MMR『暗黒の書』『光の書』

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「な…なんだって___!」で有名なMMR(マガジンミステリー調査班)のエピソードをコンビニ本用に再編集した2冊。

当時はまだMMR自体完結していなかった。(後編:光の書の最後に最終13巻の告知が載っている)

実はこの本、私はブックオフで10年以上前に一冊100円で購入したものだ。

MMRは連載当時にマガジンでリアルタイムに読んでいたし、コミックスも数冊持っていたのだが、いつの間にか手元から無くなっており、『今更、書い直すってもの…なんかなぁ…』と思っていた。

しかし、そんなある日ブックオフで一冊100円で売られていたこの本を見つける。

「おいおい…もう世紀末終わっちゃったぞ…」と思いながらも安かった事と1冊600Pを超える厚さで、良い暇つぶしになるなぁ…と思い購入。

これがやばかった。

「この話って連載当時、結構ドキドキして読んだけど、時間が経ってから読むと更に面白い」

当時、主人公のキバヤシが仮説として語ったアレコレの話。それが時を経て検証出来る。他にも連載当時に結構話題になっていた事って現在ではどうなっているのかなぁ…。と言う後追い的な好奇心。後々読むことで、そんな新しい読み方も出来るのだ。

今、この項を書いていいてMMRで思い出した事がある。

ポケモンショックがあったのが、1997年の12月である。当時は三原色の光の点滅が影響を与えたのでは無いだろうか?と言う説から、強い光のシーンは意図的に画面を暗くするなどの措置が今でも使われている。

確かそのニュースを見た時に何故か私の頭の中にMMRの文字と主人公キバヤシの姿が浮かんだのを覚えている。

当時は何となくスルーしていたが、この本の『光の章』を読み返して当時、なぜMMRが頭に浮かんだのかを思い出した。

『忍び寄る魔のテクノロジーとは?』(コミックスでは8巻)と言う話で三原色の光の点滅で脳波が麻痺してしまうような事が描かれていたのだ。

しかもこの話、マガジンに初掲載されたのは、あのポケモンショックより1年以上前、1996年の初夏なんだ!!!

『な……なんだって_________!!!』

(スイマセン…どうしてもやりたかったのです…)

この話は最終的に意図的に作り上げた人工生命を使って人間の感覚を支配して『超感覚兵士』を作り上げようとしている軍産複合体の闇の力が働いているのでは?と言う結末で締められている。勿論トンデモ理論と笑うのは簡単なんだが、それでも何となく心に残るエピソードでした。

我が家から発掘されたこの本、早速読み返して見たのだが…やっぱり面白かったッス。

 

 

 

 

マイナス(全5巻)

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沖さやか(現:山崎紗也夏)先生原作の漫画。

1996年から約一年間、週刊ヤングサンデーで連載されていました。

ストーリーは容姿端麗の新任教師、恩田さゆりは新任教師では異例のクラス担任を任される事に。教職員からの信頼も厚く、生徒も男女問わず憧れの的の存在。

一見、クールに振る舞う恩田、実は『人から嫌われたくないtと言う執着とトンデモない被害妄想』の塊であった。

彼女がなぜそんな風になってしまったか?は彼女の幼少時、父から虐待に端を発したいじめなどからそれが強いトラウマになってしまい、そのトラウマを拭いきれないまま大人になってしまったからである。

『嫌われたくない』その想いが彼女をドンドン追い詰めていって行ってしまう。

嫌われない為なら何でもやる。嫌われないためなら、どんな行為も厭わない。

異常性がドンドン増して行く恩田。

しかし、一旦嫌われていない、自分のほうが立場が上だと分かると人格が一変する。

嫌われたくないと思い続けていた反動が一気に態度に表れてしまうのだ。

しかし、あくまでそれは特定の個人だけに対しての行動で、普段の彼女はやはり人の目を気にして『嫌われたくない』と思っているのだ。

そんな嫌われたく無い想いから彼女は行動はエスカレートを辿り、とうとう殺人まで行ってしまう。

そこまで行き着いてしまった時、彼女の異常性は狂気へと変貌を遂げる。

『嫌われるくらいなら、殺してしまえば良いんだ』

狂気は迷走し、いつしか破綻を迎える事になる。その時彼女の取った行動は……。

 

_______と、あんまりネタバレをせずにストーリーをかいつまんで見ました。

他人の評価が怖い。そんな気持ちは誰の中にでも潜んでいると思います。

そんな気持ちを狂気にまで膨らませた作品で、人も信用できない、自分にも自信がない、と言う内包的に心に抱え込んでしまう心が自分のみならず他人をも巻き込んで行く。

「自分の意思を持つことがこんなに辛いことなんて……責任を伴ってくるなんて……でも持たなきゃいけない」

これは彼女が迷走した後に出した1つの答えだ。その次のページで社会人になって独り立ちした生徒、中村が答えます。

あなたなら、なんて答えますか?

 

ちなみにこの作品は連載時に『とある話』で雑誌の回収騒ぎありました。

このこの単行分には収録されていませんが、後にエンターブレインから発売されたワイド版(全3巻)に収録されているらしいです。ワイド版はなかなか入手困難ですが、こちらのコミックス版は古本屋でたまに見かけます。エグい話で正直なところ読み手を選ぶような作品ですが、気になりましたら……という感じです。

 

 

隣り合わせの灰と青春

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コンピューターゲームWizardry』(ウイザードリィ)。後にドラクエなどに多大な影響を与えるこのゲームのファンは多い。そしてその傾向として『やらたと濃い』。

そんな『濃いファン層』から多大な支持を受けていて、日本のファンから『聖典』とまで言われている同ゲームの1988年のノベライズ作品である。

ストーリーはウイザードリィのエピソード1を題材に、レベル13の戦士から侍に転職したばかりのスカルダという主人公を中心に展開されていく。ゲームをやっていなくても十分に楽しめる内容だが、これはゲームをやってから読むと更に深みを増す。

私がこの作品を知ったのは当時、ゲームショップの店長をやっていた時。

何人かのスタッフに『Wizardryの素晴らしさ』たるものを延々と語られた事に始まる。

『方眼紙買ってきてマッピングするのが最高なんですよ』

『罠が超ヤバイッス』

『石の中が最悪すぎる』

うろ覚えだが、そんな事を延々と語られ、気がついたファミコン版の1~3を購入する事になってしまった。

それは既に布教の域だった気がする。

確かにプレイしてみるとやたらと想像力を掻き立てられる作品である。

その事を彼らに告げると「ファミコン版なんてまだ良いほうですよ。パソコン版なんてワイヤフレームとコマンド入力で……」と延々と語られる。

そうなのである。このゲームはプレイヤーが少ない情報量から自分の想像をフルに掻き立てて行く……そんあゲームなのである。彼らがこんなに『濃ゆい感じ』になってしまうのも頷けるのだ。

そう考えると自分にも経験あったなぁ…と、ふと振り返る。

ナムコの名作『スターラスター』において「いかん!あの星が攻撃を受けている!あそこには友人が!」とか妄想全開でプレイしてたり、『バルーンファイト』のバルーントリップモードにさえ、『いつかゴールが…』とストーリーを妄想しながらプレイしていた事を思い出す。

昔のゲームには情報が少ない故にそれを想像力でカバーしてプレイしたものが多かったなぁ、と思います。

その想像力が結実し多くのファンの心をグッと鷲掴みにしたのがこの『隣り合わせの灰と青春』なんだろうなぁ…と読みながら感じていた。

作者のペニー松山氏は執筆当時20歳。その若い想像力がゲームの二次創作がまだ少なかったあの時代にマッチしたんだろうと思う。

今読んでも名作である。ちなみに3本買ったゲームソフトだが、1以外は未プレイ。

未だに家の何処かに眠っているのだけは知っている。

 

 

隣り合わせの灰と青春 (幻想迷宮ノベル)

隣り合わせの灰と青春 (幻想迷宮ノベル)

 

 

 

2000年のゲーム・キッズ(シリーズ全3巻)

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 渡辺浩弐氏作の『1999年のゲームキッズ』続くシリーズ作で、『1999年…』と同じく週刊ファミ通で連載されていたショート・ショートである。

現在はアスペクト(当時のアスキー社の出版部門)から星海社から発売されています。

ちなみにこの『2000年のゲーム・キッズ』(1997年刊行)シリーズは全3巻。表題の『2000年のゲーム・キッズ』『夢ビデオ』『バーチャルアイドル・クラブ』の3冊です。

このゲーム・キッズシリーズは『1999年』『2000年』の他に『2999年』『2013年』などがありますが、この『2000年のゲーム・キッズ』が1番好きだった。

近未来の電脳世界を題材にしたショート・ショートは以前から星新一筒井康隆のショート・ショートが好きだった自分にバッチリハマったのだ。

『いつかこんな話が書けたらいいな』と夢見る青年だった私は当時、本屋を廻ったが全然見つからず、取り寄せで何週間も待った末に手に入れたこの本を何度も何度も繰り返して読んだものである。

今回発掘したのは第3巻の『バーチャルアイドル・クラブ』だけで、1巻と2巻は家の本棚にずっと保管しており、画像を見てくれれば分かると思うが、1巻はボロボロである。(ちなみに一週間ほど前まで2巻も見かけたのだが、現在何処かに埋もれて行方不明である)

シリーズが『2999年』になってからちょっとイメージが合わなくなって、ファミ通に連載されていたものを読む程度になってしまう。

しかし、ゲーム・キッズを題材にした話が幾つか『世にも奇妙な物語』に登場することがあり、その度にちょっと嬉しかった思い出がある。

 

私が再び『渡辺浩弐』の名前を目にしたのは、それから時を経た2013年の事、星海社のWebで連載されていた『2013年のゲーム・キッズ』の登場からだ。

第一回『謎と旅する女』からHTML5を使ったギミックを駆使して閲覧者を恐怖のズンドコ…もといドンゾコに叩き込んで話題になり健在をアピールしてくれました。

当時二十歳を迎えたばかりのウチの息子がダッシュでPCの前から逃げ出したくらいです。

sai-zen-sen.jp

 おかげで最近、ちょっと話題になった『りんなの女優デビューブログ』で息子を引っ掛けようとしたのですが、最初のギミックで飛び出すように逃げてしまいました。

話を聞いたら「物凄く嫌な予感がした、こんな経験を前にした覚えが…」と言ってたので、多分この2013年のゲーム・キッズが原因なんでしょう。

最近の渡辺浩弐さんはどうなんだろう…とTwitterを覗いてみたが……。

 

健在で何よりでございます。

 

 

2000年のゲーム・キッズ(上) (星海社文庫)

2000年のゲーム・キッズ(上) (星海社文庫)

 

 

2000年のゲーム・キッズ(下) (星海社文庫)

2000年のゲーム・キッズ(下) (星海社文庫)

 

 

2013年のゲーム・キッズ (星海社文庫)

2013年のゲーム・キッズ (星海社文庫)

 

 

歴史新聞系(幕末歴史新聞&競馬歴史新聞)

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 1990年代後半、歴史的に起こった出来事などを新聞形式でまとめた本が流行った。

通常の歴史新聞や日本史新聞、大相撲の歴史を扱った新聞本などもあったが、その中で私が購入したのがこの『幕末新聞』と『競馬歴史新聞』である。

『幕末新聞』はペリーの黒船来航から西南戦争の終結までを新聞形式に。

『競馬歴史新聞』は1932年~1998年までの競馬界の出来事を新聞形式で掲載してある。(後に2007年まで収録した新装版が2008年の春に発売している)

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中身はこんな感じで、見事に新聞している。(ちなみに1993年は私が競馬を始めた年である)

私がなぜこのような新聞シリーズに興味が惹かれたかというと、このような書籍を形にするためには膨大な資料が必要になると思っているからだ。

こういったものを個人で編集しようと思ってもそうそう出来るものでは無い。

かなりの資料を参考にしなければ、こんなのはそうそう作れるものじゃないと思っていたからだ。

見易いし、年表を眺めているよりは詳しいし、歴史の興味への入り口にもなる。

こういったものが発売される以前から新聞の縮小版を図書館で眺めるのが好きだった私にとっては理想の1冊である。

資料としても優秀なので、調べ物をする時に重宝するのである。

今回発掘したの『幕末新聞』の方で、手にした途端に1時間ほど読みふけってしまった。

今、こんな感じの企画物はあんまり見かけないが、『ゲームの歴史新聞』とか『音楽芸能の歴史新聞』とか『アニメの歴史新聞』とかが存在したら速攻で購入してしまうと思う。

 

決定版 世紀の号外!歴史新聞

決定版 世紀の号外!歴史新聞

 

 

 

決定版 日本史新聞

決定版 日本史新聞

 

 

 あとがき

日曜日の22時ごろから軽い気持ちで書き始め、0時までには何とかまとまるわ…と思っていたのだが、書いているうちに力が入ってしまい、気がついたら午前4時。(祝日で良かった…マジで)無言でキーボードを叩き続ける私に長男ドン引きである。

発掘した本から興味を惹いたものを抜き出して、残りはまたダンボールにしまいこんだのだが、こんなダンボールが後4箱存在している。恐ろしいことだ。

ちなみに写真撮影はいつもベットの上に商品を乗せて行っているのだが、背中には本棚に敷き詰められた漫画や本がギッシリでその前には積み上げられた漫画と本。ベットの下にも漫画と本…(あまりにカオスな光景なのでお見せ出来ないが…)基本、漫画が多いので何とも如何とし難い状況である。(最近はあんまり買ってないんだけどなぁ…)

 

もうちょっと整理をしっかりしなければなぁ…と、心によぎるのだが、相変わらずよぎるだけである。

ミニマリストには程遠い生活。

まぁ、嫌いじゃない。

では!!