【iPhone画面割れ】ド素人が気合だけで割れたスマホの液晶画面を修理してみた
注意:これは修理の仕方を紹介した記事ではありません。不器用な中年男の自らの威信をかけた闘いの記録です。(5515文字)
-Prologue-
我が家の長男が使っているiPhone6がとうとう動かなくなった。
話は半年ほど前に遡る。
バイトから家に帰ってきた長男がやたら沈んでいるので、それを聞いてみると彼は私に自分の使っているiPhone6を差し出した。
画面がバリバリに割れている。無数のひび割れが画面を覆っていた。
理由を聞いてみると『自転車でコケた拍子にポケットから飛び出してしまった』と言う。
まぁ、運のない話である。
しかし、日頃から『モノの扱いは丁寧に』と私は彼に言っているので、すぐにそれを何とかしようと言う気持ちには成れなかった。
幸いにも画面はバリバリに割れているが、操作は可能である。
「とりあえず、あれだ…フィルムを貼って暫く使ってな、そのうち考えるからさ」
割符で購入しているモノでまだ、支払いの残積があるのと、バリバリに割れた画面を見ながら身を律しなさいと言う意味で暫く様子を見ることに。
それから半年、とうとう彼のiPhoneは動かなくなった。
そこまで素直に使っていたと言うことで『買い替え』を薦めてみたのだが、残債がどうのと言うより、iPhone6を購入する際にやった下取り分での割引がまだ適用されているらしく、この時点で買い換えると、7000円ほど損をしてしまうとSHOPの店員に言われたらしく、とりあえず現時点での買い替えは断念したらしい。
彼も一応社会人である。携帯を持っていないと何かと不便だ。
だが、普通に修理をするとなると万札が飛んでしまうのも勿体無い話である。
それならば……と、私はAmazonのサイトで『iPhone6タッチパネル』と検索をかける。
そう、こうなったらセルフ修理だ!と私はタッチパネルの修理キットをポチる。
この瞬間、これは彼の問題では無くなり、父親の威厳とブログのネタをかけた『私の戦い』となってしまった。
無残にも砕け散った前面ガラス。
『俺はやれば出来る子』と自分に言い聞かせて準備開始
Amazonで購入したのがこちら。
PassionTR iphone6 修理用フロントパネル 液晶パネル タッチパネル タッチスクリーン パネルセット(フロントガラスデジタイザ) 修理セット工具付属 ホワイト
- 出版社/メーカー: PassionTR
- メディア: エレクトロニクス
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安価なのと、レビューの人数、評価などを総合的に考えてコチラに決める。
注文後に業者からメールが来て『自信がない方は業者に依頼することをオススメします』的なメールが届くが、そんな事は「先に言え」と軽くツッコミを入れる。
注文の翌日の夜に商品が到着。ポストに投函されていた。
マジか?ポストに投函で、この梱包か?精密機器やろ??と2回目のツッコミ。
下のオレンジっぽい袋は一緒に注文した精密ピンセットの袋。
一抹の不安が脳裏をよぎりまくる中、開封。
セット内容はこんな感じで、説明書は英文で申し訳程度の解説。銀色の袋にはどうやら工具が入っているらしい。
まぁ…こんなところだろう…。
ここから私は一つのWEBサイトと一つのYouTube動画を中心に参考にして、作業を進めていく事にする。
ー参考にしたサイトー
こちらはネジのサイズなどもキチンを解説してあり分かりやすかったので参考にさせていただきました。
ー参考にした動画ー
画面割れ iPhone6 液晶修理 修理キット紹介・レビュー動画【第1回】
『コジコジのオタク文化 情報局』と言うYouTubeのチャンネルのiPhone6液晶修理回を参考にしました。
その昔、uuumのオタク女子系YouTuberの『megumi』さんとサムネイルで勘違いして以来、コチラのチャンネルを観るようになりました。
安価で購入したジャンク品のオーディオ機器やパソコンを修理したりファミコンを改造したりする動画を中心に観させてもらってます。
ちなみにこの方は正真正銘の男性ですが、時々サムネイルが怪しい時があります。
今年の『YouTubeNextUp』のメンバーに選出されたりと将来的に嘱望されているYouTuberの一人でもあります。
動画で使われているiPhone6と同型のモノが目の前にあるので『動画を観ながらその通りにやればなんとかなる』と思いこの動画をチョイスしました。
さぁ、とりあえず準備は整った。
もう家族も寝静まった深夜、私の孤独の闘いは始まった。
闘いのゴングが深夜の俺の心に鳴り響く
まずは本体の底面、Lightningケーブルの差込口にある、二箇所の特殊ネジを付属の工具で外す。もう、後には引けないのだ。神経を使った精密作業の為に目が乾いてしまうのを避けるための目薬もバッチリである。
撮影の為に置いて差し込もうとしていますが、実際は手に持って作業しています。(撮影して作業するには手が一本足りないのです)
ネジを外したら、付属の吸盤を画面に押し付けて上蓋を外すのですが、吸盤がペラペラで、なかなか吸着させるのに苦労しました。
吸盤を吸着させて上に引っ張ると、本体に隙間が出来るので、その隙間にギターのピックのの様なスクレーバーを咬ましてグリグリと蓋を開けていきます。
この時点で私の精神的なライフが20%くらい削り取られてしまいました。
辛うじて蓋を開ける事に成功。まだケーブル類がついているので、蓋は完全に外れません。
今度はこの蓋を外して行かなければなりません。
この銀色に光る固定版を外して行かなければなりません。ネジは5ヶ所止められています。
この5ヶ所を三種類のネジで止められているので、ネジを外した後はどこのネジだったかを記憶する為に両面テープなどにネジを貼り付けて、メモして置くことが大事です。
うん、本当に大事なんですよ、うん……大事だ。
固定版を外したら、4箇所のコネクターの接続部があわらになりますので、それをスクレーバーを使って優しく、優しく外してあげます。ここを乱暴してコネクターが曲がってしまったら試合終了です。(多分、諦めなくても試合終了です)
この写真は何とかコネクターを分離して安堵の中で撮影した1枚です。
これで、蓋と本体の分離に成功しました。成功したかどうかはこの時点ではわかりませんが、一つ言えることは『もう引き返す事は出来ない』ということです。
でも、本当の地獄はココから先に待ち構えていました。
そうです、カメラ・センサー・イヤースピーカーユニット、そしてホームボタンなどを取り外して行く作業です。
まずは、カメラやセンサー、イヤースピーカーを保護している金属板を外します。
次にカメラ部分を持ち上げてイヤースピーカーを外します。これは結構簡単に外れます。
その後にカメラ部分を外します。自分はどの様にやったか殆ど覚えていませんが、動画やWebサイトを確認しながらやっていましたが、細かい部分は爪楊枝の先端を平たく削ったものを使用していました。
とにかく細かい作業で、力加減とかは動画でみてもわからないので、最後は思い切りでした。
カメラ部分の取り外し完了。このカメラユニット、写真左側の部分は両面テープでくっつけてあって、それを剥離する作業が意外と神経を使わされました。
でも最後は思い切りでした。
これでカメラユニットは取り外せました。
時計を見ると午前3時を回っていて、これは徹夜確定だな……と覚悟をした瞬間でした。
今度はホームボタン側の取り外しです。この固定版を外すとホームボタンが露わになります。
カメラユニット側の扱いよりは楽だったのですが、細かいソケットなどがあるので油断は出来ませんでした。
この部分に
小さいソケットがあるので慎重に外します、
後はこの金属プレートを外すだけです。コレさえ外せば、後は逆の手順で組み立てていく作業に……なるはずでした。
緊急事態発生!!
WARNING!WARNING!
この金属プレートはホームボタン横に1か所、そして両側面に三個づつの合計7つのネジで止められています。
最後の1個を外そうとした時に事件発生。どうやってもネジ穴に巧く嵌まらない。
最初に思ったのは『ネジ山潰しちゃった?』でした。
じっくりネジを確認したのですが、ネジ山が潰れている形跡は見受けられない。
ふと、付属のドライバーを見ると、いつの間に先がバカになっている。
コレではネジは外せない。
無理に使おうとすると、本当にネジ山を潰してしまいかけない。
そうなったらお手上げである。
それだけは避けたかったのだが、あいにく家には変わりの精密ドライバーが無い。
とりあえずお手上げ状態…。
(お手上げの図)
時計を見てみると、午前6時。家を出るまでに後、2時間しか無い。
どの道このペースでやっていると、朝、家を出るまでに完了は不可能。
近所に朝の7時から開いているホームセンターがあるので、早めに家を出てそこに立ち寄ろう。そう思い、支度を早めに済ませてホームセンターに向かう。
夕方、帰りに立ち寄っても良かったのだが、それで間違ってしまって再度向かうと下手すると閉店時間になってしまう可能性も考えて、とにかく朝に行くことにした。
ホームセンターについて、良さげな+の精密ドライバーを2サイズ分購入してから出掛ける。
これはいらない手間と出費だった。コレならば別に評価のよいドライバー工具を別途用意するべきだった……と強く後悔。
その後の日中のことは殆ど覚えていない。間違っても『眠い』とか考えてしまったら負けなので、とにかく夕方までは何も考えずにやるべきことをやろうと決める。
公私を分けられないのにこんなことをやっているのはダメだからね。
夕方、少し早めに帰れたので、家にまっすぐ帰り、再び作業。
新しいドライバーはアッサリとネジを回し金属プレートを外すことが出来た。
後は新しいパネルに部分を移植して、逆の手順で組み立てて行けば良いだけである。
カメラユニットで少々手こずったが、案外アッサリと組み立て終了。
全ての配線作業が終わって、コネクターの固定板を装着する前に実際不具合が無いか電源を入れてチェック。
ここまでやって『映りませんでした』とか『タッチパネルが操作できません』では悲しすぎる。
眠さと緊張の中でいよいよ電源オン。
映らない!!!!!!!!!!!!!!!
……と、思っていたら、スマホの充電切れだった。
とりあえず軽く充電しよう。話はそれからだ。
そして伝説へ……(俺の中だけで…)
とりあえず30分ほど充電。いよいよ電源を入れる。これで映らなかったら、今から夜の街にイルミネーションを1人で観に行く罰ゲームをしよう……。
ポケットに1000円だけ突っ込んで、本当にイルミネーションだけを観に行くだけの外出をしよう。さぞかし退屈で孤独な気分を味わせると思うぜ…へへ!
つ…ついた…だと!?
まて、安心するな…そうだカメラはどうなった?
キチンと起動する。
いや待て、ここまで喜ばして置いて、ホームボタンが全く効かないと言うオチが…
ホームボタン全然問題なし!!!!だと……。
待て待て待て!!!そうだ!!通話だ!
通話……可能!!!!イヤースピーカー問題なし!
完璧じゃないか!!!!!!!
俺は勝ったのか?俺はこの闘いに勝ったのか!!!!
予算4000円(パネル代+工具諸々)所要時間は約8時間(これはかかりすぎ、実際は3時間ほどでやれるらしい)
私は勝利した!!!(と、思っていた)
寝不足で思考が完全にどうにかなってるが、とりあえず私はこの闘いに勝利した!
後は最初に外した固定版を取り付けて、パネルをはめ込み、特殊ネジを最後に装着して完成だ!!
完全に元に戻ったiPhone6。隣のイノシシ(ボタン)に踏まれているのは以前のバリバリに割れたパネルの残骸である。
息子大喜び、父親の威厳が復権!!!コレでブログのネタも1個確保!!
全てが完璧に終了した。
あれから2日。息子のiPhoneはなんの問題もなく動き続けている。
喜んでiPhoneを使っている息子。
しかし、彼には内緒にしていることが一つだけある。
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拡大してみよう
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更に拡大
なんでネジが1本余った?????
完全に何かのフラグが立っている。
そんなドキドキした気持ちをそっと心の中にしまい込んで、今回の顛末記の幕を閉じたいと思う。
まとめ
綺麗に成功で終わると思いきや、ホラー映画の様なオチまでついてしまった。
今回、ド素人の私が何とか修理に成功したのはやはり動画とWebサイトで気軽に確認出来たのが大きかった。
これを機会にジャンク品を求めてハードオフなどに赴き、新たな戦いの場に身を置いても良いかなぁ…と思ったりもしている。
しかしながら反省点も多くあり、今後、同じように自分で修理しようと思う人もいるかと思うので、それら反省点や思ったことをまとめてみる。
・外したネジは両面テープなどに引っ付け、どの場所にあったネジなのかを把握する事が大事。
・工具は付属のモノに頼らずに自前で持っていたほうが良い。
・精密用のピンセットは絶対に必要。精密であればあるほど絶対だ。
・意外とつまようじは役に立つ。
・睡眠不足でやるものでは無い
・失敗を恐れている出来ない作業なので、ある程度「失敗してもいいや」と割り切る事も大事
・最後はなんだかんだ言っても思い切り。
そして……
この記事は修理について何の役にも立たないから、キチンと専門的に解説しているサイトを確認しながら、作業する事をオススメします。
さて、目指してみるかな…「ガラクタからの錬金術師」。