さんじゅうろうの覚え書き

不治の中二病を患っている中年男『さんじゅうろう』の他愛のない覚え書きです。10年後には立派な黒歴史になっているかもれしない。

【コミック】絶版漫画を探し回ってメンテナンスしてみた【再生】

遠い昔に観た漫画の事を思い出して、ふと手に入れたくなる事がありますよね。

今回は今から30年以上前の漫画の事がどうしても気になって、それを手に入れる為に奔走してみました。

あと、そのような古い漫画のメンテナンスなども同時に紹介していきたいと思います。

想い出の漫画と再び出逢う、そんな企画です。

探している漫画、『気分はグルービー』

1981年から1984年まで少年チャンピオンで連載されていた佐藤宏之先生の漫画で全13巻。

高校生のロックバンド『ピテカントロプス・エレクトス』を中心とした青春系漫画。

1981年といえば、かつてあった『少年チャンピオン黄金期』の後期にあたり、まさに黄金期の残り火の様な漫画でした。40代中盤くらいで丁度この世代にちょっと音楽をかじった方たちの中には記憶に残っている方もお見えになるかもしれません。

本格的にロックバンドを扱った連載漫画は当時まだ殆ど存在しなかったと思います。

私も下手の横好きでバンドなどに挑戦していた時期がありまして、この漫画の影響が少なからずあったような気がします。

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現在は古い漫画なども電子書籍化などされていますが、こちらの漫画は電子書籍はもとより文庫化などもされておらず、13巻までのコミックスが全てと言う状況。

(事情はわかりませんが本編を読むと飲酒・喫煙など何となく理由がわからないでも無いですが、作者の佐藤宏之先生の電子書籍化が無い所を見ると作者の都合なのかもしれません。)

実はこの漫画の12巻と13巻だけは所有していたのですが、今回はコンプリートを目指して、私の地元を奔走いたしました。

 

まず全13巻の価値を確認するためにヤフオクをチェック

全13巻で大体4000円前後の値段がついています。最高値は8,970円となかなかのお値段です。

このまま競り落としても良いのですが、『なるべく安価で』と考えているので、本当に最後、どうしても手に入らなかったら……と言う最終手段として残しておく事にします。

まずは自分の足を使ってみましょう。

 

自宅周辺の古本屋をネットで検索、名古屋市内から少々郊外まで検索範囲を拡げてリストアップ。

『漫画本探しの小さな冒険』が始まりました。

 -大規模古本店で探す-

まず、古本屋…というかブックリサイクルと言ったほうが良いかもしれないBOOKOFF。

このチェーンの参入で地方の古本屋さんは結構ダメージがあったかもしれません。

しかし、こちらは最近の本をリサイクルして回転率を上げているという感じで、私のように30年前の絶版漫画を探す事を目的にしているユーザーには多少不向き。

プレミア本などの概念が薄く、そういった本は集まりにくい傾向だと思います。

しかし、それだけに意外な本がとんでもない安価で売っている場合があって、侮れない存在でもあります。

それだけに新古中心店とは言えスルーは出来ない存在でした。

結果的には

_______近郊のBOOKOFFは大体確認しましたが、一冊も見つかりませんでした。

 -小規模古本店で探す-

個人店、もしくは小規模の店舗で商いをしているいかにもな感じの古本屋さん。

こういった所にあるもんだろう…と何件か回りました。

 

その中の一軒になかなかのお店がありました。

本が比較的綺麗で、30年前どころか40年前……いや…ちょっと信じられない時代の本が並んでいて驚きました。品揃えはBOOKOFFなどでは見ないような、まさしく古本。

ちょっと高くてビビりましたが、何十年か振りにハードカバーの『のらくろ全集』を見ました。(昔、小学校の図書館にあったのを記憶している)

ここなら…と期待しましたが、目当ての本は見つかりませんでした。

(但し、佐藤宏之先生が次に連載してた漫画は全部そろっていました)

他にも古いアニメ雑誌などがあり、趣旨とは違ってしまうけど何冊かマジで買ってしまいそうになりました。

 -意外な穴場、中規模店舗-

大型チェーンでも無く個人店でも無い中堅どころの古本屋……というよりリサイクル店を探してみることに。

私が訪れたそんな中堅店は比較的古い漫画にはそれなりの値段が付けられていました。

あまり状態が良くないものでも絶版本などは新品相当の値段が一冊に付けれており、その扱いも他の漫画本とは一線を画した場所にあります。

実はそんな中堅のお店で今回探していた『気分はグルービー』の1巻~8巻までを発見しました。値段はザックリと1冊200~300円でした。コレを安いと思うか高いと思うかは本当に購買者の心の中ひとつでしょう。絶妙と言えば絶妙な値段が付けられていました。

ここに至るまで20店舗ほど立ち寄って、唯一の成果でした。

これで1巻~8巻。そして12巻、13巻……。

残すは9~11巻の3冊です。

 

ー最後の手段、Amazonマーケットプレイスー 

正直なところを言うとアテはありました。それはAmazonのマーケットプレイスです。

Amazonのサイトを間借りする形で商品を出展してるのがマーケットプレイス。

良く中古本を1円などの値段をつけて販売しているのもそういったマーケットプレイスに出店している店舗です。

ヤフオクなどで購入しようとしたら、どちらかと言えば『セット本』が主流で、バラでは購入が難しかったりします。

しかしAmazonのマーケットプレイスでならバラで買うことも可能。

但し状態が把握できないので、一抹の不安はあります。1円という事でボロボロの商品が来てもおかしく無い……と頭をよぎりましたが、ネガティブな事ばかり考えていても詮無いことです。まずは一度利用して見る事にしました。

そこでマーケットプレイスで9巻~11巻が売っている店舗を探しました。

3冊のウチ2冊は1円で変えたのですが、1冊だけは300円ほどかかりました。

そして同一店舗で購入したのですが、1冊に付き送料が257円かかりました。

全部同じ梱包で来たとしても1冊に付き257円。多分そこが『1円』の秘密だと思います。

 

 兎にも角にも全13巻全てが揃いました。

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 本の表紙の焼け具合は巻数のピンクの丸で確認。

9巻・10巻あたりが薄いですが、そこまで気になるほど傷んでいない状態でした。

 

 さぁ、頑張って綺麗にしようか!

ー研磨するー

今回は絶版本を探すだけでは無く『古い漫画本を綺麗にする』というテーマも含まれていますので、ここからはこの本を綺麗にクリーニングしていこうと思います。

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 横から見るとこんな感じです。よく見ると研磨の後があり、綺麗に汚れが削られている本が何冊かありますね。この削る作業をピックアップしようと思ったのですが、ちょっと誤算でした。、まぁ、私としてみれば『嬉しい誤算』ではあったのですが。

ただ、上の巻数が若い何冊かはかなりくたびれている感じです。

このあたりを少し綺麗にしていこうと思います。

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 角の部分は痛みやすいのですが、30年前の漫画本として考えるならば、これはかなり綺麗だと思います。(2巻がかなりやばい気がするが……)

 

さて、それでは研磨作業を行おうと思いますが、まずはカバーを外します。

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そんなに酷くはないのですが、取り敢えずこれが研磨前の状態です。

 

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シッカリと本を閉じさせる為に私はちょっと強めのクリップを使用してみました。

これはやらなくて良いと解説してるサイトもあったり、逆に万力でしっかりと固定していると行ったような解説をしている所もありますが、私は取り敢えずクリップで固定してみました。

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私は紙やすりを下に敷いて、本そのものを動かしながら削る方法で行いました。

コチラのほうが安定すると思ったからです。

こうなるとクリップでの固定もそれなりに意味を持ってきますね。

紙やすりの目は細目の仕上げ用の物を使用しました。

300番代の紙やすりです。

コチラを敷いて、削るのですが、削る際は一定方向に向かって削るようにするのが鉄則らしいです。上下にゴシゴシとすると本が膨らんで不格好になると言う事らしいです。

という事で削った後の写真がこちらです。

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かなり汚れは取れたと思います。

但し、こちらは元からあまり汚れていないモノで、あまり茶色に変色しすぎているものはあまり効果が無いと言うことらしいです。

実際、1巻とか2巻など結構茶色かったのですが、削ってみてもあまり効果を得ることは出来ませんでした。

あと、一部の古書ファンには『研磨は邪道、古本は茶色くてナンボ』と言う拘りを持ってる人が少なからずお見えになるらしいです。

実際、研磨をすると価値が下がると言われています。

ただ、BOOKOFFなどでは本の綺麗さも重視するらしく、この様にメンテナンスをすると良いと言われておりますので、先の用途次第なのかなぁ…とも思います。

 

ー綺麗に本を拭こうー

あまり汚れていないと思っても意外に本は汚れているものです。考えてみればそうですよね?

手に持って読むものですから、手垢などがついて行きますからね。

と、言うことで本に表紙をかけて、本を拭いていこうと思います。

今回使用したものがこちら。

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水の力で落とす洗剤(ダイソーで100円でした)

中性洗剤を水で割ったものや、マイペットと言う方法もあるらしいのですが、今回はこちらで挑戦してみました。

本に直接吹き付けても良いようなのですが、今回は比較もお見せしたかったので、タオルに染み込ませて拭いてみました。

汚れをお見せするために真っ白なタオルを用意して作業してみました。

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そしてこれが吹き終わりのタオルです。一見綺麗に見えても、結構汚れが取れました。

一応、比較画像も作ってみたのですが、あまり違いはわからないと思います。

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若干、白色の感じが変わっていると思います。(かなり分かりづらいですが…)

遠目で見るとわかるかもしれません。

あまり違いが無くてもタオルはあれくらい汚れてしまうのです。

 

ー仕上げー

さて、一通り拭いたところで最後の仕上げをします。

今回はキチンとカバーをかけてみる事とします。

それによって、今後の痛みをある程度は抑えることが出来ると思います。

今回使用したカバーがこちらです。

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 25枚入りで280円だったと思います。Amazonのマーケットプレイスで購入。

ちなみに100枚入りが600円ですので、100枚入りの方がお得です。

各サイズのカバーが販売されているので、綺麗に本を使いたいとお思いの方にはオススメです。

使用方法をキチンと見ながら作業。

最初の方はキッチリ出来るのですが、最後の仕上げがどうにも下手くそになってしまいました。(これは実際にやってみると『ああ、なるほど』という気持ちになれると思います)

 

そんなわけで……

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作業が完了しました。

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かなり綺麗なりました。

 

気分はグルービー 13 (少年チャンピオン・コミックス)

気分はグルービー 13 (少年チャンピオン・コミックス)

 

 ちなみにこの13巻がやばいのです…価格が。アマゾンで調べたら2210円~と言う希少品になっています。

 

ー最後にー

今回は完成までにやたら時間がかかってしまいました。

文章そのものはあまり時間がかからなかったのですが、初めての挑戦で、道具選びやどの様に最後仕上げていくか?

そんな事を試行錯誤しながら、進めて行きました。

形のあるものはいつか朽ちて行く運命ですが、大切なものは特に、出来る限り『その時』を引き伸ばしていきたいと思いますね。

そして自分の感じた感動はまた次の世代へと受け継いで行きたいものです。